子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

作品1.冬から春にかけての詩

作品1.冬から春にかけての詩

鑑賞 冬から春にかけての詩。身近なところで、春らしいものを感じた詩。
すてきな詩は、声を出して読むと、リズムがあるので頭にすぐはいる。  

ねこやなぎ

   北海道帯広市明星校   一年 ももい としい
ねこやなぎをさわったら
ふさふさしていいきもち
こんどはぼうしをとってみた。
くろくてかわいてる。
花とは、まるでちがう
花のほうが、きれいだよ。
つくしんぼよりはやくできて
つくしんぼうが
「ずるい、ずるい」
って いってるよ。

   岩手県水沢市真城校  二年 ちば つよし
いけのわきに
花がいっぱいさいています。
きいろい花は
ふるい木のにおい
青い花は
すずしいにおいです。
だんだんあまいにおいもしてきました。

夕やけ

   静岡県駿東郡原小学校  三年 原田 栄治
ぼくは夕やけを見た。
赤い、ほんとに赤い。
まるで大空が火事になったようだ。
ひまわりの花のように
まっ赤な夕日がまわる。
ぐるぐるぐる
あ、だんだん落ちていく。
しずまないでそのままそのままで。
あの山がじゃまになる。
どいてくれないかなあ。
とうとうしずんでしまった。

長野県北安曇郡南小谷小  五年  相沢  保
もうすっかり春だ
空は青いし
雪はどんどん
ちっちゃくなっていく
こりゃ、きっと
よい春になるぞ
あっ あんなところに
ふきのとうがある
すいせんを 芽を出すかな
エヘヘヘ
おもちのような石が
顔出した
のどから 手が出そうだよ
やっぱり春だなあ

もうすぐ春

   兵庫県大路第二小  六年 細見 勝郎
机の上にだれかがいけたすいせんを見て
「すいせんだな、もうすぐあったかくなるなあ」
と、先生がにこにこしながらいわれた。
そうだ、もうすぐ春になるぞ、
五郎谷のしる田におたまじゃくしの卵が
ぐじゃぐじゃにできるようになるだろう。
去年、弟と二人でにぎろうとしたが、
なかなかにぎれなんだ。
にゅうっと指の間から出て
田んぼへ落ちた
かえりに つくしをつんだなあ
もうすぐ春になるぞ
 以上「自然とともに」国土社 一九六九年ぼくが教師になった次の年に、出版されている。まだ「自然」が日本の中にたくさん残っていた頃の子どもたちの作品である。みずみずしい作品が多い。

powered by Quick Homepage Maker 5.1
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional