子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

作品2. 学校生活の出来事

作品2. 学校生活の出来事
まねしたのかなあ?
       東京都墨田区立立花小学校  三年 女子
 六月二十三日の日曜日、学校公開でした。一日中さんかんびだったので、家族が少し来ていたのです。二時間目に理科でアゲハちょうのビデオを見ました。榎本先生の机の上には、アゲハのさなぎがついているたちばなの木の木がおいてありました。そのうえきばちは、前PTA会長さんが、たちばなのたねをうえて、それがせいちょうして三年目の小さな木に、チョウのたまごがつき、教室でかっていて、ちょうどサナギも終わりのころだったのです。見終わってから、黒ばんの前にきた先生が、せつめいしようとしたら、私の前のせきのあくつ君が、アゲハチョウの羽化に気づきました。あくつ君は、
「あっ。」
小さな声で、先生に言ったのが、先生にも気づきました。理科の後、二十分休みに数人の女子や父母が、羽化したばっかりのチョウを見に来ました。
 三時間目が終わり、四時間目も終わり、給食を食べにランチルームへ行きました。行く前にアゲハチョウを見たときは、体が前より大きくなっていました。
 給食が終わって、ランチルームそうじで、先生、私、あくつ君、中田さん、すがおくん、長谷山君、草野さんがのこりました。二、三分して何人かがランチルームに来て、
「アゲハがとびそう。」
とつたえてくれました。私やのこっていたみんなは、
(えっ、ウソ!)
という顔になって、そうじの手がいったん止まり、ふたたび動き始めたときの手は、とても早くなっていました。えの本先生だけは、
「わかった。すぐ行く。」
と落ちついていました。教室にもどって、もう一度アゲハを見ると、シワシワだった羽が少しピシッとしていました。お昼休みも、五時間目も終わって、帰りの会の話し合いのころ、まどを開けてとび立たせました。そのとき、はく手で見送りました。一度もどってきて、またとんで行きました。
(少し小さかったのは、小さな木だったから かなあ。)
と思いました。ビデオに羽化のシーンが入っていたので、
(あれを見てまねしたのかなあ。)
と思いました。虫はきらいだけど、自分のクラスのだからかわいかったです。
 2002年 7月作

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