子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

第531回 豊島作文の会 12月例会のご案内(2018年)

第531回 豊島作文の会 12月例会のご案内(2018年)

◆日 時 2018年12月2日(日) 午後2時~午後5時
◆場 所 豊島区立駒込地域文化創造館 第6会議室 03-3576-2637  

《提 案》 
『’18 児童文詩集 東京の子』(第44集)、詩の部を読み合う
《  詩  》*レポート担当の分担は下記の通りです。
1年11篇(伊藤さん) 2年14篇(鈴木さん)  3・4年12篇(寺木さん)  
5・6年13篇(片桐さん)
*「共同作品」(日色さん)と「2年11篇」(曽我さん)の分が、前回、時間の関係でできませんでしたので、先にこの二つを読み合ってから、詩の提案に入っていく予定です。
『東京の子』、お忘れなく!



◎第12回 国分一太郎「教育」と「文学」研究会・学習会報告
*第530回 豊島作文の会は、この学習会に合流。

《提 案》    
1.「児童詩の指導」実践試案 教科書教材を生かした4年生の児童詩
の指導(鈴木 由紀さん、東京・豊島作文の会)

2.2年生の作文指導 生活の中から題材をえらんで、したことのじゅん
に思い出して書こう(梶谷 陽子さん、横須賀・逗子作文の会)

3.6年生の作文指導 随筆を書こう~くらしの感想文~
(下山 智之さん、岡山作文の会)
  
《講演》子どもと親に届け続けてきた学級通信・一まい文集
(木俣 敏さん、画家・日本作文の会元常任委員)
◆当日の参加人数、34人。
◆山形から、山形放送の取材陣2名が来訪。1日ずっとVTR撮り、録音が行われた。
◆鈴木由紀さんの詩の指導の報告。非常勤教員という立場で、週1回、3週をかけて行った実践の紹介。「詩は、ずばりと書く。説明はいらない。」というのが4年生の子どもたちには、スッと入ったようである。子どもたちが書いた作品に、何よりもはっきりとした手ごたえあり!誰もが実践可能な方法として提示されているので、活用を広めていきたい。ないものねだりになるが、特に、第2時の授業(「題と書き出しをどうするか考えさせる指導」、「無駄な言葉を省く推敲の仕方の指導」などがどのように進められていったのか)がVTRで見ることができたらすごくいいなあと感じた(音声だけでもいい)。
鈴木実践はまだまだ続くので、VTR撮影は、今後の課題としたい。

◆梶谷さん、大変ていねいな指導。共通体験したものを書く指導から、続けて個別体験を書くことに挑戦させていく。子どもたちが、梶谷さんの指導に従って一生けんめいに書き綴っているのがよく分かった。書かれた作品を読みながら、子どもってこんなにも教えられたことをしっかりと吸収していくものなのだなあと感心する。
今回の実践報告、学級担任である強みがしっかり発揮されたものということも確かだが、このようなきちんとした取り組みを支えている梶谷さんの職場(学校)もすばらしいし、うらやましいと思う。東京では、今こういう実践ができなくなってきているのではないだろうか。
「前がみをきったこと」を書いた児童の気持ちがいくつもの箇所から切々と伝わってくるのだが、「じゅんじょよく 書こう」では、書ききれなかったのはなぜなのか。典子さんが次のような意見を出していた。〈 「初めに」「次に」「それから」「さいごに」などの順序を表す言葉は、ジャム作りとかジュース作りなどの題材などでは有効だが、「生活の中から題材を選んで」子どもが書いていく場合には、かえって思い出す作業のじゃまになる。一番書きたかったことは何かはっきりさせ、そのことの始まり(きっかけ)から書かせていくなどするといいと思う。〉 
 職場と、横須賀・逗子作文の会で、さらなる活躍を期待!
◆下山さんの報告。これまでやってきた生活綴方の実践を活用できるいいチャンスになるのかもしれない。ということで、「随筆」=「くらしの感想文」という位置づけで、身近な暮らしの中の出来事の中から題材を見つけさせ、日ごろから思っていたこと、感じていたことを綴らせていくという実践の報告。テーマに関係するエピソード(出来事、場面)を2~3場面取り上げさせるようにしたとのこと。その効果か、子どもたちの作品によどみがない印象を受けた。子どもたちにとって、書きやすさがあったように思う。半面、一番書きたかったことは何だったのか(テーマ)が、ややあいまい(つっこみが足りない)になっている印象を受けた。さらなる追究を期待!
下山さんの今回の指導の仕方は、田中さんの提唱する「いつも型・Ⅱ」の指導に似ているようで、どこか違うようにも思えるのだが。

◆木俣さんの講演。これまで発行してきた学級通信をもとに、どのようなところに心を遣いながら文集を発行してきたのか、どんなところに気をつけて文集を発行していったらいいのかを詳しく話していただいた。
一枚文集の題字が子どもの書いたものであったり、子どもの絵や文字がそのまま載っていたりなど、「編/木俣」とあるのは、そういうことなんだなあとまず納得。
「チューリップ勉強」、「すてきな れんらくちょう」、いちばん心にのこっていたはくしゅの「絵表現」。「読む」(音読する)とはどういうことかの話、教育の演出、「大きな数」の学習の話など、一枚一枚の文集のどれにも、子どもたちの持つすばらしさが紹介されている。子どものつぶやき、ちょっとした所作など、しっかりと子どもに目を向けている。「よき観察者」「魂の技師」の言葉が浮かんでくる。
文集の中にいくつも授業風景が出てくるが、子どもたちをしっかりと引きつけ、活動させていくのがすごい。私がいちばん気に入ったのは、一年生の「こくごの時間の約束」(P7)。〈 「よみたいひと」と言われたら、読んでみたいと思った人は、みんな立つ。そして、順番に読んでいく 〉のだという。普通なら、「よみたいひと」と言ったら「はい」「はい」「はい」「はい」になってしまうが、このやり方だと、同じ個所を何人もの子が読んでいくことになる。その人数分の読み(音声)を他の子どもたちは聞くことになる。その効果は、……∞。どの学年でもとはいかないかもしれないが、この方法、すばらしい。
このような楽しい授業風景がいくつも紹介されてくるのだから、読者である子ども・保護者たちも、文集の発行をどんなにか楽しみにしていたことだろうと思う。私たちも楽しく、話を聞かせていただいた。

◆「来年2019年夏、全国大会が東京で!」ということで、東京大会実行委員会・事務局長の五十嵐 愛さんから、挨拶と現在までの取り組み状況の紹介があった。第一日目の全体会の講演者は、作家の浅田次郎さんに決まったとのこと。二日目、三日目についても、現在、実行委員会の中で準備が少しずつ進行中とのこと。
「大会スタッフ」「実行委員」「パンフレット・チラシを飾るイラスト」募集中 のアピールがありました。
申し込み・問い合わせ先:
 五十嵐 愛(めぐみ)(東京大会実行委員会 事務局長:新渡戸文化小学校
:電話03-3381-0124)
◆取材に来ていたTV局の山形放送のスタッフからも挨拶をいただいた。
〈 昭和初期、山形県の長瀞小学校で「想画」と「生活綴方」という、二つの優れた教育実践が行われていたこと、そしてその当時の貴重な「想画」、「文集」が多数保管されていることが分かり、1年ほど前から取材に取り組み始め、現在も、取材と編集が続けられている。
長瀞の「想画」と「生活綴方」の教育実践と残された遺産(想画・文集)のことを全国の人たちにもぜひ知ってもらいたいということで、準備が進んでいる。 〉
予定では、来年2019年2月9日(土)の午前10時30分からTV朝日で1時間の番組として放送されるとのこと。楽しみ。乞う、ご期待! (文責:工藤)

                                  

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