子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

10号

はじける芽10号

さけぴやつぶやきが詩になる

作品1         東京一年女子
あのね
おかあさんがね
まいにち
せんせいの どっか
さわってらっしゃいだって。

作品2 とっきゅう 東京 ながやす ふゆこ
あっ。
てっきょうのうえを
とっきゅうがいくよ。
いもむしみたいだね。

作品3 たんぽぽ  埼玉   石づかれい子
あれ きのう がっこう やすんだら
もう こんなに、
たんぽぽ さいている。

作品4 つばきの花 東京 黒さわ やよい
つばきの花が さいた。
大きいつばきの花。
ふつうの つばきより
たくさん 水をのんだのかな。

作品5 おたまじゃくし 静岡 赤堀 いく郞
あっ
おたまじゃくしの
あしが でた。
おたまじゃくしは
おなかの なかへ
あしを しまって おいたんだね。

授業展開(45分)

1 作品をプリントしたものを配布し、どんなことに気がついたか発表してもらうと言って読む。
2 読んで気づいたこと、感じたことを発表しあい、いくつかを整理し、板書する。
○しゃべったり、つぶやいたりしたことを、そのまま書いている。
○びっくりしたり、何か発見したり、心がゆれ動いたことを、そのまま書いているa
3 最初の感想をもとに、作品のひとつひとつにそくして、他の人が気がつかない心や体の動き〈生活のしぶり〉と、ダイヤモンドのように光った言葉(書きぶり)について確かめていく。

○生…生活のしぶり □書…書きぶり

作品1について
おかあさんに言われたことを、ちゃんと覚えていて、学校で先生に正直に話している。
○生 一年生である自分の子にむかって、こういうことをしむけるお母さんも、すばらしい。
○生 この子が先生にむかつてしゃべったことを、きちんと受けとめ、このように文集にのせて書いてあげた先生も、いい先生だ。
作品2「とっきゅう」について
○生  てっきょうの上をとっきゅうがいくことに気がついて、ものをよく見ている。
○生 「いもむしみたいだね」と、他のものの動きを連想した、この子の考え方がすごい。
作品3「たんぽぽ」について
○生 学技休んだ次の日、たんぽぽが、きだしたのに気がついた眼や心が良い。
□書 「たんぽぽ さいて いる」と、今、目の前で見ている書き方が、すぐれている。
作品4「つぽきの花」について
○生  つばきの花がさいたことに気がついたことがえらい。
○生 「大きいつぽきの花は、ふつうの花より、たくさん水をのんだのかな」という考え方が、ユニークでおもしろい。
□書 「水をのんだのかな。」と、ふしぎに思ったことを、疑問の形でしめくくっている。
作品5「おたまじゃくし」について
昏おたまじゃくしの足が出たことに気がついているaこの子は、いつもいつも観察していたから、すぐ気がついたのだe
□書 「おなかのなかへ あしを しまって おいたんだね。」と、その時、感じたことを、その通りに書いている。
4 きょう勉強した作品は、どの詩も、その時、心や体がいつも生き生きと働いている。五官をよく働かしていないと、さけんだり、つぶやいたりもできない。
 みなさんも、ここに出てくる子ども達と同じように、心や体を働かせて、ダイヤモンドのような光った言葉をちりばめてほしい。
1988年2月5日

子どもの感性

 高学年になるにつれて、『詩』の表現がおもしろくなくなると言われている。ここに書かれている詩は、場面を思いっきり切り取っている。感動したことを、ストレートに表現している。目や耳を思いっきり働かせて、心の震えを素直に表現しているから、このような表現ができた。このようなつぶやきに耳を傾けて、口答詩の形にしていたことをしっかり表現させた担任教師がすばらしい。
2011.11.17

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