子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

2017年豊島作文の会・方針案・年間計画

2017年豊島作文の会・方針案・年間計画

2017年度、豊島作文の会・方針

「教育現場から離れて数年経つが、『道徳』が何の議論もないまま教科に組み込まれた。職員会議が、単なる伝達機関に成り下がっていると聞く。教科書が民主的に選ばれず、検定で骨抜きにされたものが現場におろされてきている。そこから、少しでも逸脱した教師は、問題教師として、追求される。国語教科書から、『作文』の字が消え、子どもたちに価値観を強制された文章を書かされているのが現状である。子どもたちから、『何を』という題材を選ぶ自由を取り、絵に描いた餅のような文章を書いても、何の力も育たないのである。
 私たちは、大変厳しい現実だが、子どもたちの本物の文章表現力を身につけるために、本年度も出発したい。今年度は、1人でも若い新しい仲間を連れてきて、教室の子どもたちが元気になる作文の授業を追求していきたい。」
 今から、2年前の方針案の一部にこのように書いて、締めくくった。あれから2年たち、「学習指導要領(案)」が発表された。10年に一度の学習指導要領が、改訂された。4年後に、この改定案で、実施される。まだ、案なので、少しでも訂正して、現場にやり安いことにしてほしいので、問題点を、指摘して、意見公募に応募することにした。

学習指導要領改訂を読んで 意見公募 文科省へ

「教える側の教師の忙しさを少しでも解決するためには、1クラスあたりの児童数を35人学級にして、教師の定員増をすることであるが、今回もそれは見送られた。
 英語の時間数が増えるが、現在の小学校の教員は、英語の免許は持たないが、それをどのようにして、英語教育を広めていくのだろうか。
 特に心配なのは、国語の時間数が減り、文章を読み取る力、表現する力が、かなり落ちてきている。日本語でものごとを考える力そのものが、どんどん低下してきている。英語がきちんと話せる前に、日本語そのもので、ものごとを考える力を付けてからでないと、英語そのものもきちんと理解できないまま消化不良に陥るであろう。
 現場がどれほど忙しくなっているかと言うことを、文科省のお役人たちは知っているのだろうか。「自己申告書」「ライフプラン」などを、年度初めに作って、提出しなければならない。新しい学年になって、子どもと向き合う大切な時期に、その他様々な書類の提出に追われる。問題をかかえている子に、声をかける時間も心の余裕もなくなっているのが、現実だ。「学級崩壊」などと言うことは、あまり聞かれなかったが、ここ10年間は、1つの学校に、そのような芽生えが、いくつかあり、最終的には、担任教師が、心身症で、休職に追い込まれている学校が、2校に1校出てきている。
 原因は、色々考えられるが、現場があまりにも忙しすぎるからではないだろうか。今でも、休み時間が減り、子どもたちが発散する時間がなく、いつもイライラして過ごしている。さらに休み時間が減ったら、子どもたちの発散する場は、皆無となるであろう。今以上に、子ども同士のトラブルが増え、学級も落ち着かなくなるであろう。
 私が新卒で現場に勤めた頃、1学年3クラスの中規模校でしたが、専科教師が、3人いた。大規模校は、4人いた。音楽、図工、理科だった。1週間に、その3教科は、6時間担任の空き時間だった。教材研究や事務作業の時間に取れた。今回の改訂を読むと、そのような現場の大変さを汲み取って、改訂されたという事実がどこにも見つからない。むしろ、益々忙しくなり、悩める教師がもっと増え、学校経営が成り立たなくなるのではないかという心配さえ持っている。」
 このような公募をしたが、それが少しでも参考になれば良いのだが、実情は変わらないであろう。しかし、このように考えている人がいると言うことを、相手に伝えることこそ大切であると考えている。

「対話する社会へ」

 経済学者の暉峻淑子さん(89才)が、「対話する社会へ」〈「岩波新書」〉という題名の本を出版された。そこでは、「疑問に思うことや受け入れられないことを日常的に話し合うことが、社会の健全さを支えます。逆に、対話がないことは、権力者にとって都合が良いのです。」
「たとえば、教育現場では職員会議が否定されました。教員同士が悩みを相談する場がなくなり、対話の代わりに命令と監視が支配する現実がやってきました。教員が上下関係で管理・監督されるようになると、教員と生徒の関係も同じになる。私が経験した軍国主義時代の「口答え禁止」に近づいているように思います。」
このように強調されていた。〈「あの人に迫る」東京新聞2017年3月25日(土)〉
 この視点に立って、今の世の中の現象を見つめてみると、何がおかしいかと言うことが、はっきり分かってくる。最近報道されたいくつかの出来事を考えてみる。

今村復興大臣の発言

 福島の原発避難者の3月で援助打ち切りに関して、記者が「帰れない人はどうするんでしょうか?」と聞いたところ、今村大臣は「どうするって、それは本人の責任でしょう。本人の判断でしょう」と返答。記者が「自己責任だとお考えですか?」と質問したところ、「基本はそうだと思いますよ」などと回答し「裁判だ何だでもやればいい。国としてはできるだけのことはやった」などとも発言した
 記者がさらに食い下がろうとしたところ、今村大臣は「ちょっと待って下さい。あなたどういう意味でこういうことやるのか知らないけど、ここは論争の場ではありませんから。あとで来てくださいよ。そんなこと言うんだったら」と話した。
 ところが記者が「責任持って回答して下さい」と発言したところ、今村大臣は声を荒げ、「責任もってやってるじゃないですか!なんて君は無礼なこと言うんだ!ここは公式な場だよ。なんで無責任だって言うんだ!」と机をたたきながら発言。
 記者が「ですから」と発言すると、今村大臣はペンで記者を指し「撤回しなさい!!」と大声で述べた。記者が「撤回しません」と言うと今村大臣は「しなさい!!出ていきなさい!!もう二度と来ないで下さいあなたは!!」と発言
 記者が「これは記述に残して下さい」と発言すると、今村大臣は「どうぞ。こんなね、人を誹謗することは許さんよ。絶対」と述べ会見を終了した
 記者が会場を後にする大臣に対し「避難者を困らせているのはあなたです」と言うと、今村大臣は「うるさい!!」と発言した
「被災者の自己責任」「無礼だ」「二度と来るな」「うるさい」と怒鳴って退室。今村復興大臣の常軌を逸した言動、被災者を切り捨てておいて更に殴るも同然の発言である。
 この会見後、8時間たって、お詫びの会見をしている。
 私は、このやりとりを、テレビのビデオで何回も見た。この質問をした人は、フリーのジャーナリストの方である。この人がこの質問をしなければ、自主避難の人の切り捨ては、浮き彫りにならなかったのかも知れない。大手の新聞記者がそこにいながら、この人が質問してくれたおかげで、問題点がはっきりしてきたのである。ビデオをよく見ると、会見を終わりにしますと司会者が言いかけたときに、この方は質問したのです。大手の記者は、誰もこの大事な質問を、聞かずに沈黙していたのです。「記者クラブ」は、どうしようもない組織に成り下がっている。国会が終了すると、総理大臣の会見が行われる。その時の記者会見は、フリーのジャーナリストは、発言はできない。10年以上前に、「ジャーナリズム崩壊」(上杉隆著〉と言う本を出版した。記者クラブ制度は、どうしようもない組織に成り下がっている。

森友学園問題

①森友学園がなぜか8億円引きの激安価格で国有地を購入
②公人である安倍昭恵夫人が森友学園の名誉校長に
③8億円引きの理由はゴミの処分費用?
④大阪府は森友学園の小学校設立のために、認可基準を緩和?
⑤森友学園が経営する塚本幼稚園の過激な教育内容
⑥森友学園が補助金の不正受給のために建設費用を改ざん?
⑦稲田朋美防衛大臣が森友学園問題に関与?
⑧森友学園籠池理事長妻と昭恵夫人間でメールのやりとり
⑨安倍首相が森友学園に100万円の寄付金を
⑩森友学園籠池理事長が国会証人喚問に応じる
 忖度をしたのは財務省の官僚の方々。次から次へと、疑惑が深まるばかりである。首相は、もし夫妻の関与があれば辞任し、国会議員も辞職すると約束している。
 今回の事件を考えると、アンデルセンの「裸の王様」を思い出す。「この洋服は、バカには見えない洋服です。」と仕立てやに言われ、たくさんのお金を払って作ってもらう。王様に会う、大臣や家来や役人は、バカだと思われたくないので、次々とほめた。王様は、街を行進したいと言いだした。「王様は裸だ。」と最後に発言した子どものひとことで、その言葉を聞いた町の人々も徐々に王様が裸であると言い始め、すぐに全員が「裸の王様」と笑い始めた。王様は顔を赤くして、城に走って逃げ込んだ。
 本当に解決したいのなら、話題になっている人たちを、国会の証人に呼べばはっきりするのだ。誰が嘘をついているかがはっきりしてくる。
 財務省の佐川宣寿理財局長は、すべての交渉記録は「破棄」してありませんと堂々と発言している。大阪地検特捜部は5日、近畿財務局の職員が不当に安く売却したとする背任容疑の告発状を受理した。この人こそ、証人喚問すれば、虚偽答弁で、10年以下の禁固刑になるだろう。忖度したものが、誰であったのか。役人に口利きをしたのは、誰なのか。国民は、関心を持って、この問題を注目している。

共謀罪

 安保法案の時もそうであったが、国民のかなりの人々が納得していないのに強行採決で突破した。そこに行くまでに、マスコミがもっとはっきりと態度を、鮮明にしておけば、こんな事態にはならなかったであろう。あの時、たくさんの人々が立ち上がって、国会周辺を囲んで、反対行動で集まった。その時に、新聞社が、一面に大きな写真をかかげて、反対の意思を大事に報道した。政府に打撃になったが、それ以来マスコミ対策に力を入れ始めた。「クローズアップ現代」の国谷裕子さんが、やめさせられた。ニュースステーションの古賀茂明さんが、コメンテーターを下ろされた。ニュース23の膳場貴子キャスター、岸井成格アンカーが昨年3月25日に退任した。どの番組も、かなり厳しく安保法案に異議を唱えていた。あれから1年たち、ニュースのコメントも、すっかり弱腰になってしまった。
 教育勅語の精神は、大事なことを言っていると、文科省が否定していない。築地が、豊洲に移転するのに、誰が決めたのかがはっきりしないまま今に至っている。責任を取らないのは、福島の原発事故と同じ体質である。
 そんな時に、戦前の治安維持法と重なる共謀罪を提案してきた。「一般の国民には、関係ないんです。」で安倍総理は、国会で発言している。実は、治安維持法制定の加藤高明総理大臣も、全く同じことを言って制定させた。しかし、成立されると、次々と、拡大解釈できるように改悪されていった。その後は、多くの人々が、牢獄に繋がれていった。全国の綴り方教師も次々に逮捕され、教職の道を閉ざされていったのである。 あれだけ安保法案に反対者がいたのに、強行採決されてしまった。この法律もどうなるか分からない。

民主主義は、時間がかかる

 みんなで、「ああじゃないかこうじゃないか」と、ごたごた揉めることが大事なのである。少数派の人々の側に立って、いかにものごとを決めていくかと言うことが大事である。原発避難者の援助打ち切り、沖縄基地への強行突破、この人達の痛みを一緒になって考えていくことが大事なのである。新聞やテレビなどのマスコミも、この視点がなければ、何の役にも立たない。連日放送される森友問題だが、視点がずれていると、何度放送されても意味はない。国民の財産を、誰が安くして、払い下げたのか。そこに、間違いなく忖度があったのである。そこをうやむやにして、おしまいにしようとしているから、国民は、もやもやしているのである。この問題をうやむやのうちに終わったら、日本の民主主義は、さらに窮地に追い込まれるのである。
1.目標
*子供たちが、自然や人間や社会に自ら積極的に関わり、現実をしっかりとらえることができるようにします。
*こどもたちが自分の表現したいことを、正しく豊かな日本語を使って、書き表すことが出来るようにします。
2.具体目標 
(1)誰もが、何でも言い合えるクラスの一員として、自覚できるクラスを目指します。(学級集団作り)
(2)こどもたちが、生活の中から、値打ちある題材を選び出す力をつけます。(題材論)
(3)日記指導を大切にしながら、生活のしぶり、書きぶりの良さを赤ペンで認めながら、書く意欲を伸ばしていきます。(自主的作文指導)
(4)指導題目を学期に1回程度は立てて、「指導過程」を大切にしながら、「ひとまとまりの文章」を綴らせます。(意図的・計画的作文指導)
(5)「ある日型」の1回限りの出来事を、ていねいに書かせます。
 同時に、高学年は、「いつも型」のたび重なる出来事を説明するような文章に挑戦させます。
(6)詩を書かせることを大切にしながら、その実践を提案します。
(7)作品研究をし、値打ちある作品を読みあいます。「日本児童・生徒子ども年刊文詩集」「東京の子」
(8)作文教育の指導理論を学習していきます。「作文と教育」など。
(9)全国大会や東京大会や国分一太郎研究会(山形と東京)に積極的に参加していきます。本年度は、日本作文の会の全国大会が福島県で行われます。新しい会員を増やすチャンスでもあるので、力を入れます。
(10 )若い人が、職場に増えてきているので、作文教育の大切さを訴えていきます。この会にも、積極的に誘うようにします。
2014年度 豊島作文の会 活動計画 定例の会を基本的には、第2土曜日。
(11)今年度は、今使われている教科書の作文教材を探す。その単元を、どのように教材化するかの検討をする。

1.例会 本年度は、1年間の予定を決めた。東京作文協議会の例会が、第1土曜日になっている。
 現役が少なくなってきたが、一人でも多くの現役を確保したい。
2.会場  駒込地域文化創造館か巣鴨地域文化創造館
3.組織 代表 工藤 哲    会報 榎本 豊 
会計 榎本典子 寺木紹子  名簿 鈴木由紀
敬称略 東作協  桐山久吉 榎本豊
庶務 片桐弘子 伊藤早苗
4.会費  年間 3000円とする。1回出席については、300円とする。
5.全国大会参加者〈レポーター〉には、3000円支払う。
山形大会レポーター2000円支払う。

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