子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

21号

はじける芽21号

高学年作文年間計画ー今年度の参考資料ー

何をどのように綴らせていくか

指導題目

(子どもに綴らせたいテーマ。
誰もがそのことにかかわれば書けるもの。)
☆○年生になって、担任発表した日のできごとをじっくり思い出し、出来事のあった順に「…でした。」「…ました。」と過ぎ去った言い方で生き生きと書いてみよう。
☆○年生になって、友達や先生あるいはおうちの人と、心や体を思い切り働かせことの中で一番、心の中に強く残っていることを、自分のしたことや相手のしたことをよく思い出しながら生き生きと書いてみよう。

☆学校で楽しい行事をして一番心の中に残ったことを、その日家に帰り、おうちの人といっぱい話をして、その話した内容を会話の「…。」をたくさん使って生き生きと書いてみよう。(遠足や運動会や社会科見学や児童集会など、学校の行事に参加した日に、「ただいま。」と、ドアをあけておうちへ帰った所から一斉に書かせる。)

☆夏休みの日記帳の中から、力を入れて書いた作品を三つ選び出し、その中から一つの作品を作文にして生き生きと書いてみよう。
〈日記を宿題にしなければ、休み中の生活を思い出し一番、心の中に強く残った思い出を書かせる。日記を作文にする時には、文の書き出しに気をつけさせ、はじめ・なか・おわりの構想メモなどをとらせてひとまとまりの文を書かせる。)

〈五月頃に「詩のノート」を全員に持たせ、あらかじめすぐれた詩を視写させ、声に出して読み詩の持つリズムなどを感じとるようにする。どこの部分の表現がいいかを含めて感想もその詩の後に2~3行書かせる。後ろの黒板に一日おきか一週間に一回ずっすぐれた詩を書くか、プリントにいくつかの詩を印刷して読み合って、それをノートに写させる。だんだんなれできたら自分も感動したことを詩に書いてみる。)
☆日常生活の中ではっと心の中に強く残った感動を切り取り、むだな言葉をとり自分で感じた通りの言葉にして、生き生きと詩を書いてみよう。

☆この頃の世の中の出来事の中で、テレどのニュース番組や新聞の記事を参考にしながら、一番強く心の中に残ったことを、その時思った自分の考えなどを(…。)を使いながら事実をもとに生き生きと書いてみようa
〈一回限りのこともあるが、一つのことを何日間にわたって取り上げることもあるので、取材メモや新聞の切りぬきなどして材料をあらかじめ集めさせておくこと。)

☆年長者から聞いた話で、意味があると考えたことを題材に選ばせ、生き生きと書いてみよう。

(取材ノートやテープレコードなどを活用して取材活動を大切にする。昔の子ども時代の遊び・戦争中のくらし、自分の赤ちゃん時代の父母の思い出などを何か一つにしぼって書くようにする。書き方は伝開・推定でなく「…です。」「~ます。」と断定の形。

☆消費生活に目をとめさせ、それについて自分が考えたり、他人の言うことを聞いたりしたことを題材に選ばせ生き生きと書いてみよう。
(お金をいくら持って、いくらの物を買ったと、金額をしっかり書きとめるようにする。)

文章を書かせるために強調しておく事

文を書く六つの大事なポイント

①いつ誰がどこで何をしたかわかる。
②その時しゃべった会話も書く。
③心の中で感じたことは(…。)の使用。
④読み手がわからないことは、説明も入れて書く。
⑤気がついたらまわりのようすも入れる。
⑥色や形、大きさ、におい、味わい、痛い、あついなど覚えていたら五官を十分に働かせていたことを書く。
自主的作文と意図的・計画的作文指導のちがい。
 上に書いた指導題目は意図的・計画的な作文指導である。クラスの子どもに、こういうことに関心を持たせ書かせたいこと。
 子どもが自由な題材をきがしてきて、書くのが自主的〈自由〉作文。時にはこの方法も大切だが、題材の広がり、表現方法に発展がなくなる。日記指導のみでは、ひとまとまりのきちんとした文はのびていかない。

日記指導は取材指導

①一年間継続して行える。そのためには、教師の負担にならないようにする。
②その日か次の日位に早く返す。
③子どもが書いてはげみになる赤ペン。
 よくくわしく書いているではダメ。
④心や体を動かした生活のしぶりと、文そのものの書きぶりの2点を大切に。

意図的・計画的作文指導

表現意欲・取材:::書きたくなる気持ち。何を書いたら良いか題材集め。
構想…はじめ・なか・おわりの指導。
記述…右の六つの大事なポイント指薄。
推考(推敲)…読み直して、削除・書き加え。
鑑賞…ひとまとまりになった文を、クラスの全員で読み合い、文全体や部分の物の見方・考え方、書きぶりをみんなのものにする。
1990年4月12日

意図的・計画的指導は、柔軟性を持って

 作文の計画的指導は、子どもの実態に即して、そのつど対応を変えていく必要がある。大まかな指導は、このようにしておいていいのだが、ずいじ変えていくことが望ましい。基本は、子供達が自分で題材を選んでくることが望ましい。しかしながら、日記指導をしていると、題材が固定化してきたり、記述がいつも同じような表現になってくる。そのようなときに、授業で、一斉指導をして、「題材の集め方」「書き出しの指導」「構想の指導」「記述の指導」「みんなで作品を読み合う鑑賞の授業」などとして、取り立てて行うことが大切である。そのようなときに「指導題目」をたてて、ねらいを持って取り組むことが大事になってくる。
2012.1.24

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