子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

作品2. 社会科との関連で考える米問題

作品2. 社会科との関連で考える米問題
五月の指導題目
五年生になってから、今までの生活の中で、心に強く残ったことを、じっくり思い出して「・・・でした。」「・・ました」と、出来事の順に生き生きと書いてみよう。

一合カップ分の米の値段    五年 男子

 五月二十五日、社会科の宿題をしました。「一合カップの値段調べ」でした。ぼくは、
(いろいろな米の一合の値段を調べたい。)
と、思ったので、「鶴岡米店」に、調べに行くことにしました。「鶴岡米店」は、おじいちゃんの家の前の道を西に行って、最初の道を右に曲がるとあるので、すぐに行けます。ぼくは、まず、家に行って、米一合の量を量ろうとしました。
(家に、はかりってあったっけなあ。)
と、思いながら、二階の台所へ行くと、はかりがありませんでした。一合カップはありました。
 それで、おじいちゃんの家にもどりました。おじいちゃんの台所には、赤い台ばかりがありました。ぼくは、
(あとは、一合カップだけだな。でも、おじ いちゃんのご飯て、おばあちゃんが亡くな ってから、ずっと、ぼくの家で作ってるか ら、一合カップあるかなあ。)     
と、思いながら、おじいちゃんに、
「一合カップってない?」
と、聞くと、
「ここにはないんだよ。」
と、おじいちゃんが、居間から言いました。家には一合カップがあって、おじいちゃんの家に台はかりがあるので、
(カップよりも、台はかりを移動させる方が いいかな。)
と思い、赤い台はかりを、家に持っていきました。台所に置いてみると、0よりも、重くなっていたので、乗せるところの下にある調節ねじで、0グラムにしました。まず、カップを量ると、二十グラムでした。次に、カップいっぱいに米をいれ、はかると、百七十グラムでした。百七十引く二十で、百五十グラムが一合だと分かりました。
 その後、「鶴岡米店」に行きました。入ると、店のおじさんが見えませんでした。ぼくは、よく、おじさんが、カウンターのすみで、新聞を読んでいるのを知っているので、
(ここかな。)
と思い、のぞいてみると、いたのでびっくりしました。ぼくは、
「こんにちは、米の調べで来ました。」
と言い、さっそく、
「米って、種類によって、一合の重さって、変わるんですか?」
と、聞くと、
「変わるよ。」
と、おじさんが言いました。ぼくは、
(てことは、家ではかったのとは、ちがうか もしれないわけ?)
と、思いました。でも、
(あれっ?そういえば、家にあったのって、 あきたこまちだっけ?こしひかりだっ   け?)   
と、思いました。いつも、お使いに行っているのに、米の品種を忘れてしまったのです。そのとき、お客さんが来たので、おじさんは、
「ぼく(人の事を指す)、そこに、米の品種 の表があるよ。」
と、忙しそうに言いました。見てみると、「ササニシキ」「コシヒカリ」など、日本の様々な品種がのって  いました。ぼくは、「森のくまさん」という品種に目がついて、
(「森のくまさん」なんて、おもしろい名前 だな。)
と、思いました。そして、売っている米に、目を移しました。すべて、「コシヒカリ」でした。
(全部コシヒカリか。)
と、がっかりしながら、産地を見ると、産地が違いました。石川・栃木県産、五キログラム二千八百五十円と、会津(福島県)産、五キログラム三千五十円と、新潟県産(減農薬栽培米)、五キログラム三千二百五十円と、もち米(産地不明)、一キログラム八百五十円と、産地不明の米がありました。産地不明でも、パッケージが、石川・栃木と、同じだったので、
(石川か、栃木のものだな。)
と、思いました。いよいよ、一カップを調べ始めました。でも、なかなか分かりませんでした。
(こうやるんだっけ?・・・いやちがうな。)
と、思いながら、時計をみると、四時二十五分ごろで、時間がかかっている気がし、
(もう帰った方がいいのかな?)
と、思いました。結局、千グラムの中に百五十グラムは、六,六六・・・・個あるので、千グラムの値段÷六,六六・・・・の商を、小数第一位を四捨五入して、求めました。ぼくは、
(あってるかな?)
と、思いながら、計算機で計算しました。計算が合っているとすると、商はすべて、,五で一の位を一つ上げました。石川・栃木と、産地不明の米は、八十六円、会津は、九十二円、新潟は、九十八円でした。米一合の値段は、八十から百円だということがわかりました。榎本先生が、
「一号は、おわん二はい分だよ。」
と、言っていたので、おわん一ぱいは、約四十五円だということがわかりました。榎本先生が、
「おわん一杯で、おなかいっぱいだから、パ ンとかより安いんだよ。」
と言っていたので、
(確かに安いな。)
と、思いました。新潟県産は、有機栽培米で、九十八円で、榎本先生が、
「有機栽培米は、高いんだよ」
と、言っていたので、
(確かに高いな。)
と、思いました。もち米は、百二十八円でした。
(これでいいのやら。)
と、思いながら、帰りました。
 夜、家で、母に、米調べの事を、話しました。すると、母は、
「ここにも、はかりはあるよ。」
と、言いました。ぼくが、
「えっ?」
と、言うと、母は、台所の下の棚から、はかりを出してきました。デジタルはかりでした。
(ここにあったなんて。)
と、僕は、がっかりしました。
(もっといろいろな品種の一合の値段を調べ たいなあ。)
と、思いました。 

積極性・能動性

学校の宿題をしっかり受け止めて、自分で調べようとしている。米1カップの重さのはかり方も、かさと量の違いを確認してから、はかっている。米五キロの値段から、一グラムの値段を出したところは書けていない。最後の一カップの重さから、値段を出している。

米の値段は安いの証明

一カップは、お茶碗二杯分に相当する。すると、一カップの値段が、八十円から百円くらいになる。お茶碗二杯を食べれば、おなかがいっぱいになる。パンやうどんやそばを食べたときに、百円で食べられるかと考え合い、米の値段が、いかに安いかの授業をした。

出来事の順に書く大事さ

したことをしたとおりに、過ぎ去った書き方をしていくことが、作文でもっとも大切な書き方になる。Kさんは、米屋に行ったり、おじいちゃんの家に行ったりきたりしたことを忠実に思い出して書いている。このような書き方をこれからも大切にしていく。やがて、新聞の記事を読んでの感想を書いたり、世の中の出来事に敏感になり、新聞の投書欄に自分の意見を主張することができていくのである。それは、中学・高校・大学の小論文につながっていく力になるのである。

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