豊島作文の会活動方針案
豊島作文の会活動方針案
1)はじめに
政権交代したが
政権交代して半年が過ぎた。選挙と金の問題は、相変わらず起きている。来年度の予算案が通過した。子供手当1人当たり月額1万3千円を支給、支給総額は約2・3兆円に上る。このこと自体は、悪いことではないが、保育園に入れない待機児童の問題は、解決していない。せっかく子ども手当をもらっても、その子どもを預ける保育園が保障されてなければ、親としては仕事を辞めなければならない人も出てくるかも知れない。全体像がはっきり見通せないのが、不安である。
学校現場としては、給食費の未納問題があり、そのまま支払わず卒業するものも出てきている。特に小中の義務制に通う家の児童手当は、事前に給食費を引いてから支払ったらどうだろうか。義務教育は無償の憲法の精神にも合致する。
それにしても、税収は約40兆円に対して、来年度の予算案は、約92兆円。足りないお金は、国債などでまかなうと言うことである。普通の家庭なら、完全に破産である。公約を大事にするあまり、何でも予算化していいものだろうか。その負の遺産は、将来の人々に負担させることになる。
沖縄の基地問題は、公約を守るのは疑わしい。日本国内の他の移設の動きに、徳之島は、即反対運動の集会が開かれている。日本国内には、必要ないのだ。社民党が主張しているように、ガム島でもどこでもアメリカの国へ戻すべきなのである。今日本政府と交渉している、ゲイツ国防長官は、ラムズフェルトのあとを受け継いだ、前政権ブッシュの時に選ばれた人である。イラク戦争で兵隊を増派した張本人である。沖縄から撤退してくれと、いくら言っても「イエス」と返事をしない代表者である。オハマの大統領の最大のミスは、ここである。公約通りオバマは、イラクからの撤退を実行をしている。しかし、残念ながら、アフガニスタンへ、タリバン撲滅の名目で米兵を増派している。
政権交代したからこそ
今起きている様々な矛盾は、自民党政権が残した負の遺産である。すべて、現政権に期待することには、無理がある。政権交代したからこそ、「密約問題」も少し明らかになりつつある。しかしその過程の中で、「密約」に関わる重要な「文書」が破棄されている。沖縄が日本に復帰したとき、「核密約」があったと、毎日新聞の西山記者が追求した。当時の社会党の横道孝弘(現衆議院議長)は、その資料を基に国会で自民党に詰め寄った。しかし、その資料を漏らしたと、当時の外務省の女性職員が懲戒処分された。西山記者を、女性問題に陥れ国民の目をそらしたのは、当時の週刊誌である。西山記者を、毎日新聞の職員として守れなかったすべての報道関係者が、今になって西山記者の功績をほめている。佐藤栄作総理大臣は、「沖縄復帰」を成し遂げて「ノーベル平和賞」までもらっている。少なくてもマスコミ関係者は、「ノーベル平和賞返還運動」ぐらいの動きを取ってしかるべきである。
小泉政権が残した「痛みを味わっている」のは、派遣社員に象徴される若者たちである。また、「後期高齢者」に代表されるお年寄りも、医療費の負担増で、安心して暮らしていけない。郵政民営化は、何をもたらしたか。その反撃が、半年前の、政権交代であった。小泉は、「自民党もぶっ壊す。」と言って立候補した。たしかに自民党は、見事にぶっ壊れつつある。それと同時に、国民の暮らしもぶっ壊してしまった。
教育現場は
教育現場も、公務員攻撃の中に組み込まれ、「モンスターペアレンツ」に怯え、子どもと真剣に向き合えない教師も出てきている。団塊の世代が定年退職で毎年大量に、現場を離れていく。定年前に、嫌気がさしてやめていくものも出てきている。就職氷河期だから、若者たちは、将来への不安を抱えている。そんな折り、こんな投書が目に付いた。
「バスツアーでは教員増えない」都教委が、教員試験受験者の激減を受け、バスツアーまでして、地方の学生を勧誘しているという記事が、朝日の「声」の欄に載っていた。教員評価制度導入・主幹職の設置・職員会議の採決の禁止(教師の意見表明権の剥奪)・君が代、日の丸の強制処分。就職難の時代になぜ学生が集まらないのかの原因の分析をすべきと、明快な論理展開をしている。(朝日新聞2010年1月16日朝刊「声」)
二次募集までして、全国から人集めをしている。なぜ、東京の教育が、敬遠されるようになったのかの原因を何ら反省せず、再び新年度がスタートした。
昨年度から、現場が要求しない高価な備品が次々と各職場に配布されている。各教室には、大型の薄型テレビが入った。電子黒板が3台来た。置き場所に困るような、すごい大きさである。使ったこともないので、どんなものなのかは、定かではないが、そのソフトが降りてきた。国語の教科書に準じた教材である(光村図書)。その1つで7万円と書いてあった。おそらく、今までの赤本以上に子どもたちにすり込ませていくのであろう。教師は、ますますロボット化して行くに違いない。職員室には、1人1台ずつ、パソコンが置かれた。週案から、通信簿まですべて教育委員会と直結している。学期に1回程度、時間数の計算があり、それを集約して報告させていた。それを今度は、1ヶ月ごとに報告しろとなった。その仕事を、養護教諭に押しつけている学校も出ている。やがて近いうちに、道徳の「心のノート」は、何ページ進んだかというような報告義務まで出てくるかも知れない。私は、極力そのパソコンには、手を触れないようにしている。週案簿も従来のものを、職場ではみんな購入している。
民主主義は、時間がかかる
昔から、職場が忙しくなると、民主主義がなくなると言われてきた。民主的な職場は、大勢の声を大切にして、1つのものを作り上げてきた。校内研修・行事・年間計画その他様々なことが「教育課程」という名の下で作られてきた。しかし、主幹・主任職の定着により、すべてのことが「上意下達」の中に組み込まれてきた。職員会議が、決定機関でなく、伝達機関に成り下がっている。校長権限が強まり、力のない無能なものがなると、その職場は、けいれん状態に陥る。力のない、取り巻きばかりが各役職に着き、何の仕事も出来ない。仕事をしなくても、給料体系が違うので、何の役職にも就かない作業層の職員とは、「格差」が広がる。「格差社会」が話題になっているが、教育の世界にも、すでに存在してきている。50代になたら、給料は、頭打ちになる。そんな折れ線グラフを見せられたら、若い人は、賢く振る舞うことを自然に身につけて行くであろう。30年前、主任制度化反対が叫ばれ、全国的に大きな反対運動が起きた。その時、「5段階給与」格差反対が叫ばれた。幸い「主任手当」が出ても、「主任手当拠出」運動で、対抗してきた。「主任」だけに仕事をさせず、みんなで支えて、1人1役として、民主的に運営してきた。ところが、今回の制度化が完遂され、「校長・副校長・主幹・主任・一般職」と5段階は達成された。さらに現場には、「非常勤職員」「スクールカウンセラー」「学校支援員」「放課後支援員」と、正規でない教育関係者が増えてきた。考えようによっては、「6段階給与」職場である。「生涯1ヒラ教師」で終えている尊敬する教師がたくさん昔はいた。子どもと最後まで向き合って、教師生活を全うすることが、大切なことだと思うのだが。
豊島作文の会の目標と具体目標
1.目標
*子供たちが、自然や人間や社会に自ら積極的に関わり、現実をしっかりとらえる ことができるようにします。
*こどもたちが自分の表現したいことを、正しく豊かな日本語を使って、書き表す ことが出来るようにします。
2.具体目標
(1)誰もが、何でも言い合えるクラスの一員として、自覚できるクラスを目指します。(学級集団作り)
(2)こどもたちが、生活の中から、値打ちある題材を選び出す力をつけます。(題 材論)
(3)日記指導を大切にしながら、生活のしぶり、書きぶりの良さを赤ペンで認めながら、書く意欲を伸ばしていきます。
(4)指導題目を学期に1回程度は立てて、「指導過程」を大切にしながら、「ひとまとまりの文章」を綴らせます。
(5)「ある日型」の1回限りの出来事を、ていねいに書かせます。
同時に、高学年は、「いつも型」のたび重なる出来事を説明するような文章に挑 戦させます。
(6)詩を書かせることを大切にしながら、その実践を提案します。
(7)作品研究をし、値打ちある作品を読みあいます。「日本児童・生徒子ども年間 文詩集」「東京の子」
(8)作文教育の指導理論を学習していきます。「作文と教育」など。
(9)全国大会や東京大会や国分一太郎研究会(山形と東京)に積極的に参加してい きます。
(10 )若い人が、職場に増えてきているので、作文教育の大切さを訴えていく。この会にも、積極的に誘うようにする。
2010年度 豊島作文の会 活動計画 定例の会を基本的には、第( )土曜日。
例会回数 月日(曜日)と内容 提案者
447回 4/17(土)09年度反省・まとめ・会計告 片桐・榎本豊
10年度方針と計画・名簿作成 鈴木・榎本典子
448回 5/15(土)「作文教育このよきもの」 田中定幸
449回 6/5(土) 片桐弘子
450回 7/3(土) 榎本典子
7/24(土)25(日) 国分一太郎研究会(山形東根市) 8/5(木)~8/7(土)第60回作文教育全国大会(滋賀)
451回 9/4(土) 桐山久吉
452回 10/16(土) 工藤 哲
453回 11/6(土)か13(土)27(土)のうちのどれか 第4回国分一太郎研究会へ合流
454回 12/4(土)富山悦子
455回 1/8(土)伊藤早苗
456回 2/5(土) 鈴木由紀
457回 3/5(土) 榎本 豊
1.例会 例会は、原則として、月1回の土曜日とするが、提案者の都合を確認の上で決定していく。
2.会場 豊島区立池袋小
3.組織 代表 伊藤(池袋小) 会報 桐山 工藤 榎本
会計 榎本典子 名簿 鈴木
東作協 桐山 榎本
4.会費 年間 3000円とする。1回出席については、300円とする。
5.夏の一日学習会はどうするか。 今年も見送り
6.国分一太郎「教育と文学」研究会 11月の3つの日付から選択(文責・榎本)