子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

10月17日(金)スクラップは便利

10月17日(金)スクラップは便利

 朝日新聞のデジタルを半年近く前から始めた。その日の新聞の記事を、スクラップして保存できる。昔なら、はさみで切って、保存したのだが、その必要はない。忙しいときは、あとから、ゆっくりまた読むために、「スクラップ」に保存しておけば良い。夏目漱石の「こころ」の連載を始めて、ついこの間終わって、「三四郎」が始まった。
 半年前の「こころ」の連載に、大江さんが記者のインタビューに答えている。あらためて読んでみた。

100年後の今

 (前半略)100年前の4月20日、朝日新聞紙上で夏目漱石の「こころ」の連載が始まりました。漱石が模索した小説の文体の構築や、考え続けた近代の問題は、現代の日本人にどう響くのでしょうか。ノーベル賞作家の大江健三郎さんが、「時代の精神」という言葉を軸に語ってくれました。(途中略)

大江さんの語り

 100年後の今、僕は同じ思いでいます。
 10歳で戦争が終わり、進駐軍のジープが村にやってきて子供心に恐ろしかった。ところが、12歳で日本国憲法が施行され、中学の三年間、憲法や教育基本法についてならった。「良い時代」になったと思った。
 今の若い人には想像できないでしょうが、当時の混乱には何か生き生きと動いている感覚があった。個人の権利が保障され、僕も、東京あるいは世界へ出て行って何かやりたいと思った。戦後は明るかった。今79歳の僕にとっては、67年間ずっと時代の精神は「不戦」と「民主主義」の憲法に基づく、「戦後の精神」でした。
「集団的自衛権行使」を閣議決定の解釈変更で認めようというやり方は、不戦と民主主義の直接の無視です。「戦後の精神」が真っ向から否定されている。
 日本が戦争に参加させられる近い将来への市民の驚きの声が低いのが不思議だった。普段は意識しないが、今の壮年の人たちの時代の精神と僕はズレてしまったのだろう、自分らの時代の精神は消え去った、と思いました。
 しかし、希望が見いだせるのは、朝日新聞の世論調査で行使容認反対が63%と増えていること。時代の精神は簡単には忘れられてしまわない、とも考えました。
 さて漱石は、「こころ」の出た年の講演「私の個人主義」で、英国の政治体制を解説しながら、「彼等(ら)(英国人)は不平があると能(よ)く示威運動(つまり、デモですね)を遣(や)ります」と語っていた。
 私がもう一つ希望を感じるのもデモや集会に参加してです。安倍政権に不平がある人たちが集まってくる。僕も歩きながら、不戦と民主主義の憲法、つまり「戦後の精神」を譲らない老人でいようと思う。それが、今回「こころ」を読んだこととつながります。(聞き手 編集委員・吉村千彰)
〈おおえ・けんざぶろう〉 35年愛媛県生まれ。94年ノーベル文学賞受賞。近著に「晩年様式集(イン・レイト・スタイル)」。

日本国憲法の精神

 大江さんは、その後、福島原発事故後、全国で行われている「原発再稼働反対」の人々に大きな勇気を与えている。大江さんは、12歳の時に、日本国憲法が施行され、中学の3年間に憲法と教育基本法について、学んでいる。大江さんとは、10歳違いなので、小学校の6年生の時には、「あたらしい憲法のはなし」(文部省発行)を社会科で学習した覚えがある。そこに書いてあることは、図入りでわかりやすく憲法の話が解説されていた。「平和主義」(9条)については、2度と戦争をしないように、武器を作らないと明確に書いてある。当然、自衛隊などがまだない頃である。この精神に照らし合わせれば、自衛隊は憲法違反になる。

憲法が大事にされなくなっている

 大学の一般教養の科目に、「憲法」が必須科目で決められていた。今の大学は、選択制で、学びたくなければ、学ばないまま卒業していく。教育基本法も、1条から10条まで、本当に丁寧に学んだことを覚えている。第1次安倍政権の内閣の時に改悪された、今の教育基本法ではない。こう見てくると、安倍首相は、悪いことばかりやらかしてきた。今は、憲法9条を学習する場を、公共施設から追放しようとしている動きが全国に広がりつつある。口先では、「国民」のためにという枕詞を必ず出す。「日本の平和を守るために」などと言うのは、戦前の大東亜共栄圏の平和のためにと言って、東南アジアに侵略していったのと全く同じ発想である。

自衛隊は、軍隊である

 今、盛んに御嶽山の救出で自衛隊が活躍している。それを、マスコミは大きく取り上げている。消防庁の人と同じように、災害救助隊にすれば、何ら問題はない。しかし、自衛隊のもう1つのねらいは、「自衛」のための軍隊の役割である。憲法9条がある限り、海外派兵は出来ない。小泉政権の時に、自衛隊がイラクへ派遣されたが、「戦闘地域」への派遣はしてないというのが、当時の政権の弁明であった。安倍政権の「集団的自衛権行使」を閣議決定の解釈変更で認めようというやり方は、不戦と民主主義の直接の無視ですと、大江さんは、怒っている。国家秘密法を、強引に強行突破し、今は、それを法律に制定実施する段階に来ている。今、行われている、臨時国会では、この問題を争点にするのは不利なので、棚上げして、来年の統一地方選挙が終わってからにしようと画策している。さすがに、国民に支持されていないという自覚からだろう。

なぜ、マスコミは追求しないのだろう

 大企業の税率を下げて、消費税を5%から8%にした。弱い者いじめの政策である。格差社会が、さらに広がっている。景気が停滞しているのに、「やや持ち直している」などと、曖昧な表現で、今の現実を直視していない。今度は、ギャンブル性のある「カジノ」を作ろうと与野党で画策始めている。驚いたことに、民主党の一部議員も賛成していることだ。国が、博打を公に認めるなどと言うのは、とんでもない話である。これらも、景気刺激策の1つであると、居直っている。次から次へと、安倍政権は、よからぬことを、強行突破しようとしている。

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