子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

10月18日(日)久々に心温まる文章

10月18日(日)久々に心温まる文章

最優秀賞は、元衆院議員、岩國哲人さん

 日本新聞協会は10月19日の「新聞配達の日・新聞少年の日」にちなんで心温まるエピソードや体験談を募集した「新聞配達に関するエッセーコンテスト」の受賞者と受賞作品を1日付で発表した。最優秀賞は、元衆院議員、岩國哲人さん(78)の 「おばあさんの新聞」に決まった。そのことを知ったのは、天声人語の文章を読んでからであった。

天声人語の文章

 早くに父が亡くなり、家には新聞を購読する余裕がなくなった。好きなのでなんとか読み続けたい。少年は新聞配達を志願した。配った先の家を後で訪問し、読ませてもらおうと考えたのだ▼元島根県出雲市長で衆院議員を務めた岩國哲人(いわくにてつんど)さん(78)の思い出だ。日本新聞協会の新聞配達エッセーコンテストの大学生・社会人部門で今年、最優秀賞になった。題して「おばあさんの新聞」▼小学5年の時から毎朝40軒に配った。読み終わった新聞を見せてくれるおじいさんがいた。その死後も、残されたおばあさんが読ませてくれた。中3の時、彼女も亡くなり、葬儀に出て実は彼女は字が読めなかったと知る。「てっちゃん」が毎日来るのがうれしくてとり続けていたのだ、と。涙が止まらなくなった……▼岩國さんはこれまで新聞配達の経験を語ってこなかった。高校の同級生で長年連れ添った夫人にも。しかし、今回、おばあさんへの感謝の気持ちを表す好機と思い、応募した。「やっとお礼が言えて喜んでいます」。きのう電話口で岩國さんはそう話した▼70年以上、朝日新聞を読んできたという。市長時代には本紙オピニオン面の「私の紙面批評」欄を担当し、当時の政治に関する社説を厳しく批判したこともある。きのうも「思い込みや独善が一つの欠点」と、本紙への苦言を頂戴(ちょうだい)した▼新聞週間がはじまった。失った信頼を取り戻すため、身を切るような出直しに取り組む覚悟を新たにする。岩國さんの叱咤(しった)を肝に銘じつつ。 2014年10月15日 
 この文章を読んだあとに、原文を是非読みたいと思ってネットで調べたら出てきた

「おばあさんの新聞」

 一九四二年に父が亡くなり、大阪が大空襲を受けるという情報が飛び交う中で、母は私と妹を先に故郷の島根県出雲市の祖父母の元へ疎開させました。その後、母と二歳の弟はなんとか無事でしたが、家は空襲で全焼しました。
 小学五年生の時から、朝は牛乳配達に加えて新聞配達もさせてもらいました。日本海の風が吹きつける海浜の村で、毎朝四十軒の家への配達はつらい仕事でしたが、戦争の後の日本では、みんながつらい思いをしました。
 学校が終われば母と畑仕事。そして私の家では新聞を購読する余裕などありませんでしたから、自分が朝配達した家へ行って、縁側でおじいさんが読み終わった新聞を読ませていただきました。おじいさんが亡くなっても、その家への配達は続き、おばあさんがいつも優しくお茶まで出して、「てっちゃん、べんきょうして、えらい子になれよ」と、まだ読んでいない新聞を私に読ませてくれました。
 そのおばあさんが、三年後に亡くなられ、中学三年の私も葬儀に伺いました。隣の席のおじさんが、「てつんど、おまえは知っとったか?おばあさんはお前が毎日来るのがうれしくて、読めないのに新聞をとっておられたんだよ」と。
 もうお礼を言うこともできないおばあさんの新聞・・・。涙が止まりませんでした。
 岩國 哲人(78歳) 東京都渋谷区

戦後は、みんな貧しかった

 この文章を読みながら、私より10才上の岩国さんたちの世代は、本当に何もない世界からの出発だったんだなあと、思いながらこの文章を読んだ。自分が子ども時代には、岩国さんのような新聞少年が、身近なところに結構いた。自分と同じ同級生だったとなりの「しんちゃん」の兄妹は、みんな新聞少年だった。しんちゃんは、小学校低学年の時に、「もう少し大きくなったらあんちゃんみたく新聞配りやるんだ。」とうれしそうに、しゃべったのを覚えている。となりのしんちゃんの家は、5人兄妹で、しんちゃんが1番末っ子だった。お父さんがいない家だった。詳しく知らないが、おそらくは、戦争で亡くなったんではないかと、今は想像している。このように、当時は、戦争の傷跡が、まだ生々しく残っている時代でだった。しかし、人々の顔は、みんな希望を持って生き生きと暮らしていたような気がする。自分だけが、貧しかったからではなく、みんなが豊かでなかったからである。今は、格差社会で、貧しい人は、徹底的に貧しく、一部裕福な人々は、とてつもなく金持ちである。生活保護は、どんどん増えて、若者が希望を持って生きられない世界。正社員を減らし、労働時間の時間外労働の賃金を、カットさせて、労働基準法違反を野放し状態にしようとしているのが、安倍政権である。

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