子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

11月28日(水)作文を丁寧に教える

11月28日(水)作文を丁寧に教える

 私が現職にいた頃、中学年や高学年を担任するときには、「作文」教育を丁寧に受けた子どもたちと、まったく受けずに中学年や高学年に進級した子どもたちが混じって同じクラスにいた。そういうことは、当たり前なことなので、作文教育を受けてこなかった子どもたちを対象に教えるようにしてきた。

1年生の時と同じように

 つまり、文章を生き生きと書けるようになるためには、次の8つの約束を身につけようと、低学年で教えたやり方で、丁寧に教えた。高学年になれば、理解力もあるので、低学年のときのように、それほど時間をかけなくても、書き方についてすぐに覚える。日記を始めるときの基本的なことも、改めて教える。高学年ならば、生き生きとした文章とは、どういう文章か?と問いかけても良い。賢い子どもならば、目や耳や鼻や皮膚や舌の五官が生き生きとしている文章である。
 そのためには、生き生きとした文章を、全員でよみあえば、どこの表現がそれに該当するかを、クラスのみんなで考えあう。では、みなさんも、そのことを意識して、日記に書いてきて下さい。このようにして始めると、何人かの子どもたちは、一生懸命そのことを意識しながら書いてくる。それを、クラスのみんなの前で取り上げれば、ますます書きたい意欲は広がっていく。

題名を付けるのは?

 題名を書くのはなぜか?と高学年なら、子どもたちと考えても良い。それは、題名を書くことによって、自分が一番書きたい場面を切り取れるので、主題意識がはっきりする。書いた日付、曜日は必ず書くのはなぜか。それは、あとからその作品を読むときに、大変参考になる。5年、10年先になれば、なおさらその意味は深くなる。

指導過程を教えるときも同じである。

表現意欲・・・書きたい気持ちを育てる。
題材(題名)・・・書きたい題材を決める。
構想・・・「はじめ」(書き出しなど)「中」(中心の内容)「おわり」(締めくくりの仕方。)記述・・・・出来事の順に「・・・でした。」「・・・ました。」と過ぎ去った書き方で書く。
推考・・・読み終わったら、もう一度読み直し、足りないところは、挿入し、間違い字などを直す。
鑑賞・・・みんなで読み合い、書きぶりのすぐれたところ、心や体が生き生きとしている表現をみんなで読みあう。

作文の授業はどう進めるか。

 指導題目を決めたら、それに見合う文章を、意識して日々の暮らしの中で考えながら、暮らしていく。
指導題目1
「ある日あるとき、家に帰ってから、友だちや、家族や見知らぬひととの出会いで、心の中に強く残ったことを、書いてみよう。」
指導題目2
「学校生活をしている中で、友だちや先生とのことで、心に強く残ったことを書いてみよう。」
 このような題目を、教室の目立つところに張っておけば、自然と子どもたちは、このことを意識して暮らすようになる。
 もしもあなたが、中学の先生ならば、このやり方を、中学生に教えるべきである。この相手が、大学生でも、作文をしたことがない学生がいたならば、同じように教えるべきである。一度も原稿用紙に向かったことのない学生だっているだろう。その時は、原稿用紙の書き方もきちんと教えるべきである。
 昔、国分一太郎先生が、農業者大学の学生に文章の書き方を教えたときも、このやり方を教えていた。最後に、「なぜ自分は、農業を継ぎたいのか」というテーマで学生に文章を書かせて、卒業させたと言うことを聞いたことがある。

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