子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

12月12日(水)人生の贈りもの

12月12日(水)人生の贈りもの

 今週の朝日新聞の夕刊5面「人生の贈りもの」は、神野直彦さんが取り上げられている。小中学校時代の同級生として、うれしいことでもある。この「えのさんの綴方日記」でも何度か取り上げさせていただいた。「人間回復の経済学」を岩波新書で出版したときに、同窓会があった。その折に出席者は、全員その本を頂いた。すぐに読んで感動したので、墨田教組の教研集会で記念講演を頼んだ。快く引き受けてくれた。終わった後も、車で見えたのだが、残ってくれて一緒にお酒の席に付き合ってくれた。帰りは、彼の車で、川口の我が家まで乗せて自宅まで横付けしてくれた。その後、退職する年の社会科の授業に講師できてくれた。そのことがきっかけになったかどうかは分からないが、「教育再生の条件」(岩波書店)を出版し、「あとがき」にその時の授業のことにも触れて、私のことを紹介してくれた。出版する前の日にわざわざ電話が来て、「榎本君の名前を勝手に書かせてもらったから。」とわざわざあいさつをしてくれた。その本は、その後、何日か経ち、我が家に送られてきた。何年かして、日教組の教研集会の茨城の水戸で記念講演があった。テープを持って聞きに行った。戻ってきてから、そのテープ起こしをして、感想を含めてお手紙を出した。(*その時の内容は、「講演会の記録」に載せてある。)その後2年に1度の同窓会には、必ず顔を合わすようになった。東京教組の教研集会記念講演の橋渡しをしたこともあった。その日がたまたま同窓会の日と重なってしまったのだが、うまく時間を調整して引き受けてくれた。終わったとは、新大久保のその学校の会場から、タクシーを捕まえて、浦和の同窓会会場まで同乗して参加したことも懐かしい思い出の1つになった。
 つい最近は、「日本の地方財政」(有斐閣)という本が送られてきた。まだ全部読み終わっていない。終わったら、お礼の手紙を出そうと考えている。記念として、その記事を一緒に載せておく。今週5日間連載されると書かれていた。

(人生の贈りもの)経済学者・政府税制調査会長代理、神野直彦:(68歳)

突然の網膜剥離

――東大経済学部などで財政学を教え、いまは税制を議論する首相の諮問機関、政府税制調査会の会長代理。神野さんの財政学の基本的な考えは
 市場の競争原理に社会を委ねて良しとする経済学の主流に対して、国や地方公共団体が管理するおカネ、「財政」を研究する立場から異議申し立てをしてきました。「情けは人のためならず」という協力の原理に基づいた財政運営で、弱肉強食の市場をコントロールする必要があると考えるからです。財政を支える税金は国民同士の「悲しみの分かち合い」。財政を有効に機能させて、幸福を与え合う協力社会を目指すべきです。
 ――深刻な網膜剥離(はくり)に悩まされながら研究を続けています
 年末までに2回入院し、両目のレンズ部分を替える手術をします。もともとの病気の網膜剥離に伴う白内障が進み、見えにくくなっているのです。網膜剥離の発症は1988年、大阪市立大学の助教授のとき。私は大学を卒業して日産自動車に勤め、その後に学者になりました。7、8年の遅れを取り戻そうと研究に励みました。
 ある日、車を運転していると突然、両目に髪の毛みたいな黒いものが飛び、病院で「早く手術しないと失明する」と告げられた。手術前は、音だけで生きられるかと不安になり、子どもの姿を見られないのかと嘆いた。両目とも網膜に大きな穴がいくつも空いていて手遅れでしたが、難しい手術を的確にしてもらって失明は免れました。
 ――研究生活は一変します
 物の見え方が、野球場のバックネット裏からのぞいているようだったり、潜ったプールの中から水面が割れて見える感じだったり。マイクロフィルムや資料を読み込まなくてはならない内外の財政史といった実証的な研究はできなくなりました。何かあるとレーザー光線で治療しなければいけないので、海外出張も短期しか行けません。
 ――目の病気とどう向き合ってきましたか
 絶望の淵(ふち)から立ち直れたのは、人の愛情やきずながあったからです。自然に生かされているのだから、右顧左眄(うこさべん)するより流れに任せようと思いました。少ない資料しか読めないので、論文に独創性を出すため、一生懸命、頭で考えようと。
 ――テレビや新聞、雑誌との付き合い方は
 テレビは30分見るだけで目が痛くなります。新聞や雑誌は大きな見出しを追いますが、それも難しくなりつつある。
 ――パソコンも使わない
 目に負担がかかるので、鉛筆や万年筆で論文を書き、秘書にパソコンで打ち直してもらいます。情報量が違うので、現役バリバリの学者ならパソコンじゃないと完全に置いていかれてしまう。10年遅く生まれていたら学者として失格でした。(聞き手・西前輝夫)
 じんの・なおひこ 東大経済学部卒。東大や関西学院大で教授を歴任し、国の地方財政審議会の会長も務める。

続きは、長くなるので、その2として、次から載せることにした。 

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