子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

12月2日(火)アベノミックスはアホのミックス

12月2日(火)アベノミックスはアホのミックス

 この言葉を考え出して、前から発言している人が、浜矩子(のりこ)さんである。東京新聞ではおなじみの人だが、今日の朝日新聞に顔写真入りで、2人の意見が書かれていた。1人は、早稲田大学の若田部昌澄さんで、もう1人が浜さんだった。どちらも、アベノミックスの正体をしっかり捉えていたが、浜さんの意見がすとんと頭に入ったので、ここにその記事を載せておく。

強者だけ生き残る社会は滅ぶ 浜矩子さん(同志社大学教授)

 アベノミクスは崩壊しつつあると思います。金融の異次元緩和で円安、株高を導き出したけれど、輸出数量は期待したほど伸びず、輸入価格が上昇して生活と生産のコストが上がっている。家計や中小企業は圧迫されています。
 株価が上がれば、経済がよくなるという考え方は本末転倒です。本来は、実体経済がよくなって株価が上がるものです。しかも上がったといっても、日経平均は2万円に届かない。株をたくさん買っているのは外国人投資家で、彼らは売るために買うから長続きしない。円安と株高の二つの芸だけでは経済政策の限界は明らかです。

まだ成長戦略?

 世論調査の結果をみても、多くの人が景気がよくなったと感じていません。何をやっても、なかなか思った通りにいかず、衆議院を解散したのではないか。下手な将棋士が将棋盤を眺めて「もう、いやっ」とひっくり返すように。
 最大の眼目が成長戦略だというのも時代錯誤です。確かに発育過程には成長が必要でしょう。でも日本経済はもう大人。成熟しているのに、まだ成長戦略ですか。お年寄りにドーピングして、100メートルを9・9秒で走れ、と言うようなものです。副作用どころの話ではない。格差が広がっているのに重点政策の視点が違っています。
 アベノミクスは強い者をより強く、弱い者はそのままにしておく政策だと言わざるを得ません。株高などの恩恵に浴した富裕層から富がしたたり落ちる「トリクルダウン」が効くのだと称して、熱い部分をどんどん熱くしている。
 その結果が人手不足です。おかげで、中小企業は人手が足りずに増産もできない。富はしたたり落ちていないのです。そんな状態では、創造力豊かな面白い発想が生まれるはずもありません。
 消費増税はいずれやらなければならなかった、というのは分かります。所得税に依存する今の税体系は、戦後のサラリーマン世帯中心の社会を想定したものです。消費税を導入した1989年当時も世界に冠たる平等社会で、「分厚い中間層」がまだ健在だった。しかも税率は3%です。
 今は非正規社員が増え、貧困の連鎖が起きている社会です。なんの激変緩和措置もなしに税率が8%になり、それが死活問題となる人々が出てきている。
 再増税の先送りはそりゃそうでしょう。でも、なぜ1年半先の2017年4月なのか。その間になんとかなると思っているのでしょうか。このままではデフレ脱却は夢のまた夢だと思います。
 やるべきことは別にあります。最大のテーマは、これまでに蓄えた富をどう分かち合うか、いかに分配するかです。それができていないから豊かさの中に貧困が存在しているのです。

内部留保に課税

 所得の低い人ほど負担感が大きい消費税を引き上げていくなら、軽減税率の導入は当然です。生活必需品の税率を下げ、ぜいたく品には逆に「重増税率」を適用していい。高額所得者に対する金持ち増税、企業の内部留保への課税なんかも考える必要があります。
 そもそも成長戦略と大仰に言わずとも、ずうたいのでかい経済が1~2%も成長すれば、すごいことです。日本経済の完成度は高く放っておいても回る。でも回転の輪の中に貧困が存在するから足腰の強い経済が実現しない。彼らがちゃんと暮らせるようにすれば、結果的には成長率アップだって、それが必要かどうかはともかく、実現する可能性はあるでしょう。
 めざすべきは、多様な人々が参画できる社会です。強い人たちだけが生き残る均一化した社会は、必ず滅びます。東京と地方の関係も同じ。東京一極集中が進んで、地方が疲弊して立ちゆかなくなると多様性が失われます。
 安倍政権は「地方創生」を掲げて、ストーリー性やテーマ性、観光資源の発掘を目指せとあおります。地方は皆、テーマパークになれということですかね。地域を再生するために本当に必要なものは何か。高齢化対策か、少子化対策か、働く場所の確保か、それぞれの地域がまず自らを分析しなければならない。分析結果に基づく取り組みを政府がアシストする。これがまともな姿でしょう。
(聞き手 編集委員・多賀谷克彦)
 はまのりこ 52年生まれ。専門はマクロ経済分析、国際経済。ユニークなたとえ話を使った経済評論で知られる。著書に「グローバル恐慌」「老楽国家論」など。

キーワード

<アベノミクス> デフレからの脱却をねらう安倍政権の経済政策。「3本の矢」からなる。第1の矢は「大胆な金融政策」で、流通するお金の量を増やす。黒田東彦総裁率いる日本銀行が物価上昇率2%を目標に量的・質的緩和を進めている。第2の矢は「機動的な財政政策」で、政府が需要をつくりだし、景気を下支えする。第3の矢は「民間投資を喚起する成長戦略」。規制緩和や税制改革などで企業の投資を促したり、新たな市場を創出したりして持続的な経済成長を図る。

流行語大賞が「集団的自衛権」?

 今日が、衆議院選挙の公示日だ。その日に合わせたかどうかは、知らないが、流行語大賞が発表された。「多くの人の脳裏へすり込まれていたと言うことで驚いている。」小林節慶応大学名誉教授。「中味が隠されたまま、流行語として受け止められたことに絶望的な気持ちになる。」樋口陽一東京大学名誉教授。それぞれコメントが書かれていた。受賞者は、辞退したそうだ。選考委員の人達は、何を基準に選んだのだろうか。こんなことまで、時の権力に良い顔して選んだのだろうか。こんな言葉を選ぶようでは、「ダメよ~ダメダメ」(もう1つの大賞)こちらは、文句なしだ。私は、「スタップ細胞は、ありまあす。」を押したいが。

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