子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

11月11日(土)つづり方通信を読む

11月11日(土)つづり方通信を読む

 関西を中心とした地域で、生活綴り方をきちんと研究し、月に1度研究誌を発行している団体がある。中心となっている人は、坂田次男さんと増田俊昭さんだ。今回送られたものに目を通して、驚いたページがあった。つづり方通信53号に、「きかんしゃ2」(無着成恭編)というガリ版刷りの文集が載せられていた。きかんしゃという文集が、「山びこ学校」という題名になり、1951年3月に(青銅社)という出版社から出された。今回、ガリ版刷りの原稿を初めて読み、どこでこの原稿が手に入ったのかと、驚きながら読んで見た。出版するには、色々困難があったのだが、国分一太郎さんなどが大部苦労して、出版にこぎつけたと、最後のあとがきに無着さん自身が丁寧に書いている。私が最初にこの本を読んだのは、今から40年以上前のことである。それなりに感動を持って読み終えた。今回の「きかんしゃ」を読むと、日記は何のために(目的)、なぜ書くのか、それをどのようにして書くのかと言うことが、丁寧に書かれている。日記をこれから始める人、すでに何年かたっている人にも大変参考になる。

どこが参考になったか

 最初に書かれている、「きかんしゃのことば」に、日記を書く意味について、事細かに書かれている。これらの1つ1つは、現在の子どもたちにも通じる、日記を書くポイントである。原稿用紙の書き方、葉書の書き方どれをとっても、文章を書く基本のことが書かれている。
*一文一文に即して、誉めたり注文したりしている
 この日記をもっとくわしくしてみよう。長橋アヤ子の日記の書き方を、分析している。
①何時頃 ②誰から言われたの。③どんなふうに持ってきたの。姉ちゃんか、だれか手伝わなかったの。④畠けなんていう字はない筈だね。⑤ここ少し変だね。⑥一人で行ったの? ⑦かんじょうしていかなかったの?⑧畠は家からどのくらい遠いの? ⑨さいしょ行くとき気がつかなかったの?⑩なぜおくれたの?
 このように、具体的に文章に即して、指摘し、くわしく書くとは、こういうことだと見本になるように指摘している。
  山びこ学校に載せてある文章は、どの文章も、完成した作品になっているが、そこに行き着くまでには、このように丁寧な指導を経て、ひとまとまりの文章になっていったのである。
 無着さんは、我々の会である、国分一太郎「教育」と「文学」研究会の会員であり、遠く大分の方にお住まいで、年会費を払って下さっている。今年90歳になり、まだお元気のようである。今回、画文集が出来上がったので、無着さんにも贈呈する予定である。

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