子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

3月7日(木)貝田先生からの手紙

3月7日(木)貝田先生からの手紙

貝田久先生へ
 貝田先生から、A4の封筒に入ったたくさんの資料とお手紙が届いた。中身を読むと、わたしの母校埼玉大学で、学生向けに「道徳」の授業をどのように展開するかの講演会を開いた。
 わたしも当日、後ろで拝見したかったなあと言う思いに駆られた。 
 次に読んだのは、児童言語研究会の「国語の授業」誌に乗った貝田先生の論文だった。「民主的な道徳教育」の想像と発展を、と言う題名が付いている。
 最初に、「作文と教育」(昭和32年12月号)に今井譽次郎さんが、「新しい道徳」編集について、と題して、大事な視点を最初に述べている。今井さんは、1906年生まれであるから、国分さんより5才年上になる。わたしが、日本作文の会の全国大会に参加するときには、すでに病気になられて、大会などには顔を出されなかった。それでも、大会速報などには、激励の文章を書いて、参加者に感謝の気持ちを書いておられた。亡くなるまで、日本作文の会の委員長だった。国分さんは、「今井君は、ずっと委員長のままでよい。」と、よく話されていた。
 その今井さんが、特設道徳には反対しなくてはならないが、民主的な道徳教育を、寄り具体的、創造的に打ち立ててかなければならない。と書かれている。
 貝田先生は、そこのところを大切にし、この考えは、61年前のものであるが、今日的課題であると、引用している。
 わたしは、この最初の文章を読みながら、61年前の今井さんの論文を読み、それをご自分の考えの柱立てにしていることに、大ききな尊敬の気持ちを持った。よくぞ、その論文に目がいったなあと感心する。
 改めて、教育基本法が改悪され、日本国憲法も危うくなっている今だからこそ、と言う信念で、Ⅰ民主的な道徳教育の拠り所として、次の4項目を挙げている。
①日本国国憲法
②1947年 教育基本法
③現代社会・世界の現状が要請する問題
④子どもの権利条約
 そこから、Ⅱ民主的な道徳教育の目標 Ⅲ基本的な価値を学ぶ五つの柱と目標
Ⅳ権利主体としての自覚を促す教育方法 Ⅴ学校における道徳教育の三つの場面
と、大きく位置づけて、展開している。
 この論文を元に、埼玉大学での特別講義「子どもから出て 子どもに還る」として、全体を構成している。このあたりのことは、国分一太郎「教育」と「文学」研究会で、実践報告しているので、細かくは書かない。
 この池袋の会でも展開してくれた、班日記をのリレー日記で、子どものつながりを保護者まで巻きこんだ、実践例である。
 ここまで読み、今現場で大きな課題になっている問題を、極めてわかりやすく小学生に実践してきたことは、大学の学生にも通じる内容であるということである。
 以前にも、貝田先生に勧めてきたが、道徳の授業例を全部展開した本を作った方が良いと、ますます感じている。
 さて、今井譽次郎さんと言えば、最近Mさんが、「現代の子どもと生活綴方実践」(新読書社)と言う本を出しましたが、その本の中で、岩本松子さんの実践を否定しながら、「日本作文の会」の常任委員、とりわけ、国分一太郎や今井譽次郎らの歴史的責任は極めて重大である。と結んでいる。わたしは、この冊子を日色さんに頼んで、印刷してもらい岩本松子さんに送った。まだ、手にしていなければ、差し上げます。90才を超した岩本さんから電話がかかってきて、「榎本さん、ありがとう、Mは、本当の共産党員ではありません。わたしは、このことに反論の文章を、これから書きます。」と30分ほど話をした。
 彼は、日本作文の会をめちゃくちゃにして、辞めていきました。わたしが知っている常任委員の人で、何人もの人が彼の心ない発言で、常任委員を辞めていきました。Tさんもその一人です。

 私の方の体は、今のところ、大きな問題はありません。何とか、暮らしております。
お元気で、ご活躍下さい。

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