子どもたちの文章表現指導を誰にでも出来る一般化理論の構築・えのさんの綴り方日記

6月27日(土)論理で説明不可能 露呈

6月27日(土)論理で説明不可能 露呈

 内閣法制局長官は、いわば憲法や法律の解釈の番人のような方である。しかし、現在の横畠裕介 という方は、安倍政権の番人のような人である。現在問題になっている、「安保法案」を憲法違反であると多くの知識人が断言している。歴代の法制局長官が、みな異口同音に「違憲」であると述べている。戦後自民党政権が、憲法9条を違反しないように積み重ねてきた論理である。その論理を180度ひっくり返し、勝手に閣議決定し、アメリカ議会で大見得を切った演説までして、意気揚々として、帰ってきた。自民・公明が推薦した憲法学者・長谷部恭男早稲田大学教授も、「違憲である」とはっきり述べている。他の民主・維新からそれぞれ推薦された慶応大小林節名誉教授、早稲田大笹田栄司教授もみな「違憲」表明をした。新聞報道によると、次のように書かれている。
「与党が推薦した長谷部恭男早稲田大学教授は、『憲法違反だ。従来の政府見解の基本的な論理の枠内では説明がつかない』と明言した。これに対し、法案作りに関わった公明党の北側一雄副代表は『憲法9条の下でどこまで自衛措置が許されるのか突き詰めて議論した』と理解を求めた。だが、長谷部氏は『どこまで武力行使が新たに許容されるのかはっきりしていない』と批判を続けた。」
 国会の会期が9月27日まで95日間延長され、通常国会としては戦後最も長い延長幅になった。長く話し合いをしたという既成事実を作り、最後は、強引に法案を成立させようとしているのが見え見えである。いくら長くても、説明する政府の側が、抽象的で、質問に対してもまともに答えていない場面が連日行われている。ことに安倍総理の答弁は、長々と答弁している割には、ほとんどまともに質問者の答えにはなっていない。
 東京新聞の1面に、『安保国会ウオッチ』とし、時々それらのやりとりをわかりやすく解説している人がいる。元内閣官房副長官をされた柳沢協二という方だ。昨日の国会でのやりとりを、次のように解説している。

多数党のおごりだ

「安倍首相に近い自民党議員の勉強会で、安保法案を批判する報道を非難する発言が出た。理屈ではかなわないから人格攻撃するのと同じで、事実と論理での説明が不可能だと事実上認めている。悪いのは批判するマスコミだから封殺すればいいというのは、民主主義の基本原意に反する多数党のおごりだ。国民の批判に謙虚に答える姿勢がなければ、いくら選挙で多数をとっても正当性はない。
 首相は答弁で『報道の自由は民主主義の根幹だ』と語っていた。自由を尊重することは批判に聞く耳を持つこと。世論調査で圧倒的多数が『政府は説明不足』と答えているときに、強行採決することはよもやないはずだ。もしそうなら矛盾している。
 首相は1960年の安保条約改定でも、92年の国連維持活動(PKO)協力法でも反対論が多かったと主張していたが、今回は全く質が違う。
 自衛隊が今、国民の支持を得ているのは自衛隊員が一度も戦争せず、海外で一発の銃弾も撃たず、災害で国民を助けてきた積み重ねの上にある。憲法の平和主義を守り、外国の戦争に加わらない、むやみに武器は使わないという原則を貫いてきたからだ。
 だが、今回の法案はそれを変える。他国の戦争に自ら加わる。武器使用を大幅に拡大し、活動地域も内容も拡大し、自衛隊が海外で戦闘することになる。これまでの政府と自衛隊の努力を台無しにする。首相は法律を強引に成立させてしまえば国民が理解するようになると思っているようだが自衛隊が国民に指示されてきた前提を全くはき違えている。」

柳沢協二の『安保国会ウオッチ』

 インターネットで調べてみると、この解説は大変評判が良く、けっこう今までのも拡散して出ていた。安倍首相本人が、このコーナーがかなり気になっているらしく、以前にクレームをつけている。「5月27日の答弁で、私が指摘した自衛隊 の後方支援に関するある新聞でのコメントを『柳沢さんは間違っている。』」
 復習のために、もう一度ていねいに読みたいと考えている。東京新聞を取ってない方も、若干記事は古くなるが、この方法なら読めるのでお勧めだ。

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